「スマートフォンにもウイルス対策ソフトは入れなくていいの?」
「Windowsのパソコンだけなんでウィルス対策ソフトがいるの?」
情報セキュリティについて勉強を始めた人
企業内情報システム部門で情報セキュリティの担当になったばかりの人
は、早い段階で疑問に思うでしょう。
この記事で、スマートフォンにセキュリティソフトは不要という
意見の根拠と反論をそれぞれ紹介します。
また、第三者機関から高い評価を得ているおすすめのセキュリティソフトを紹介します。
スマホにセキュリティソフトを入れることで、インターネットの危険から自分のデバイスやデータを守ることができます。
最終的にはあなたや、あなたが所属する組織の判断にはなります。
が、その一助に本記事が活用されるならば、幸いです。
(以降は、スマートフォンをスマホと表記します)
はじめに
スマホは私たちの生活に欠かせないデバイスです。
一方、インターネットに接続することが前提のツールです。
ウイルスやハッカーなどの危険にさらされることもあります。
そんなときに役立つのが、セキュリティソフトです。
しかし、有料のセキュリティソフトが多いです。
費用や性能などを考えると必要ないと思っている人もいるでしょう。
(1)スマホにセキュリティソフトは本当にいらないのか
・スマホを取り巻く危険と対策はあるのか
について解説します。
(1)スマホにセキュリティソフトは本当にいらないのか
スマホにセキュリティソフトは不要という意見は、以下のような理由で主張されることがあります。
- スマホはPCと違ってアプリを公式ストアからインストールするため、ウイルス感染のリスクが低い
- スマホはPCと違ってアプリが独立して動作するため、ウイルスが他のアプリやデータに影響を与えることが少ない
- スマホはPCと違って重要な情報を扱っていないため、ウイルスによる被害が少ない
これらの理由は一見もっともらしく見えますが、実際にはそれぞれに反論できる点があります。
以下で詳しく見ていきましょう。
アプリを公式ストアからインストールするから安全とは限らない
スマホでは基本的にApp StoreやGoogle Playなどの公式ストアからアプリをインストールします。
これらの公式ストアでは、アプリが公開される前に審査を受ける必要があります。
そのため、公式ストアからインストールしたアプリは安全だと思われがちです。
しかし、実際には公式ストアからでも不正なアプリやウイルス感染したアプリが配信されることがあります。
特にGoogle Playでは審査基準がApp Storeよりも緩い、と言われています。
またAndroidではGoogle Play以外からでもアプリをインストールできます。
危険性は高めです。
アプリが独立して動作するから影響が少ないとは限らない
スマホでは原則としてアプリがそれぞれ隔離されて動作します。
不正なアプリやウイルスが他のアプリやデータに影響を与えることが少ないと言われています。
しかし、これはあくまでも原則であり、例外もあります。
例えば、不正なアプリやウイルスにカメラやマイク、電話帳や位置情報などの権限を与えてしまうと、盗撮盗聴や情報漏洩などの被害が発生する可能性があります。
また、最近では
ランサムウェア(データを暗号化して身代金を要求するウイルス)や
バンキングトロイ(オンラインバンキングの情報を盗むウイルス)などの
高度な攻撃もスマホに対して行われています。
スマホで重要な情報を扱っていないとは限らない
スマホではPCと比べて重要な情報を扱っていないと思われがちですが、実際にはそうとも言えません。スマホでは以下のような情報がやり取りされたり保存されたりしています。
- 個人情報:氏名や住所、電話番号、メールアドレスなど
- SNSやメールのアカウント情報:IDやパスワード、メッセージや写真など
- クレジットカードや銀行口座の情報:オンラインショッピングやモバイル決済などで利用する
- 位置情報や行動履歴:GPSやWi-Fi、ブラウザなどで記録される
特に、クレジットカードや銀行口座、各種QRによる決済(~Pay)は直接お金の+-につながります。
パソコンより利用頻度は高いでしょう。
これらの情報は、不正に取得されたり漏洩したりすると、個人のプライバシーや財産に被害を及ぼす可能性があります。
また、スマホは持ち運びやすく紛失や盗難のリスクも高いです。
スマホにおすすめのセキュリティソフト
スマホにセキュリティソフトは必要かという問いに対して、一概には答えられません。
スマホの利用状況やリスク許容度によって異なります。
しかし、可能であればセキュリティソフトを入れることで、より安全にインターネットを利用できると言えます。
大事なのは、機能がウイルス対策だけではない点です。
ウイルス対策ソフトから、セキュリティソフトとして守る範囲を広げる必要があります。
サイトの安全性、IDやパスワードの保護など常時インターネットに接続するからこそ
必要な機能があります。
本記事では、スマホにおすすめのセキュリティソフトを紹介します。
これらのセキュリティソフトは、第三者機関であるAV-TESTによって高い評価を得ているものです。
それぞれ、AppleStore やGooglePlay Storeからダウンロード・インストールしてください
Avira Mobile Security
Avira Mobile Securityは、ドイツ発祥のセキュリティソフトです。
無料版でも高いウイルス検出率を誇り、さらに以下のような機能があります。
- ルートキット保護:デバイスを不正に管理するプログラムを検出・駆除する
- VPN:通信を暗号化してプライバシーを保護する
- アプリロック:アプリをパスワードやパターンでロックする
- ID保護:メールアドレスが情報漏洩していないかチェックする
Avira Mobile Securityは、広告も少なく、操作性も良いです。
ただし、Web保護機能は有料版にしかありません。
また、サポートは日本語に対応していません。
Bitdefender Mobile Security
Bitdefender Mobile Securityは、ルーマニア発祥のセキュリティソフトです。
インストールやアップデート時に自動的にアプリをスキャンします。
また、以下のような機能があります。
- VPN:通信を暗号化してプライバシーを保護する
- アカウントプライバシー:SNSやメールなどのアカウントが情報漏洩していないかチェックする
- ウェブ保護:危険なサイトやフィッシングをブロックする
Bitdefender Mobile Securityは、軽快でシンプルなデザインが特徴です。
ただし、無料版ではリアルタイムの保護機能がありません。
また、VPNのデータ量は200MBに制限されています。
Kaspersky Internet Security
Kaspersky Internet Securityは、ロシア発祥のセキュリティソフトです。
ウイルス検出率や動作の軽さが高く評価されています。
また、以下のような機能があります。
- 盗難防止機能:遠隔からデバイスをロックや消去する
- コールフィルター:迷惑電話やSMSをブロックする
- ネットワークインスペクター:接続しているWi-Fiのセキュリティをチェックする
Kaspersky Internet Securityは、サポートも充実しており、電話やメールで問い合わせができます。
ただし、Kasperskyはアメリカやイギリスからスパイ疑惑をかけられいる、との情報もあります。
信頼性に疑問がある場合もあります。
まとめ
スマホにセキュリティソフトは本当にいらないのか?を解説しました。また、
おすすめの無料スマホ用セキュリティソフトを紹介しました。
スマホにセキュリティソフトは不要という意見もありますが、スマホを取り巻く危険は多様です。
自分のニーズに合わせて、性能や機能、価格やサポートなどを総合的に判断して選びましょう。
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